大阪府南部、貝塚市内を走る小さな水間鉄道に乗ってみた
活性化策を模索中の魅力あるローカル私鉄
行き止まりの線路の先には、小さいけれど立派な駅舎がある。創業時からの由緒ある寺院風の建造物で、国の登録有形文化財になっている。駅舎には、現在の駅名である水間観音の文字のほか、「水間驛」という右から左へと書かれた看板も掲出されていて、歴史ある駅舎であることを誇っているかのようだ。
せっかくなので歩いて10分程のところにある水間観音を参詣した。広い境内の中には本堂のほか三重塔もある。また本堂の裏手には、二つの川の合流点があり、これが「水間」の地名の起源なのだ。「降臨の滝」という小さな滝があり、清児駅のところで出てきた16人の童子が行基をここに連れてきたところ、仙人が菩薩を渡すと竜になって昇天したという。今では、この地一番のパワースポットだそうだ。ほかにも身分の違いを乗り越えて結ばれたお夏と清十郎を祀った愛染堂があり、「恋人の聖地」として売り出し中である。
ローカルな感じが強い水間鉄道と水間寺であるが、近い将来大化けしそうな気配も感じられる。ご多分に漏れず乗客減に悩むローカル私鉄のひとつであるが、様々な活性化策を模索中のようで応援したいと思う。